和子の本棚
小説版スキャナー

小説版スキャナー

古沢良太 集英社 2016年3月18日

感想

映画化の話題になっていたので、つい手に取ってしまいました。モノから思念を読むという独特の設定に惹かれていたのですが、実際に読んでみると、その設定をもっと活かしてほしかったというのが正直な感想です。 美人ピアノ教師の失踪という謎解きの部分は確かに興味をそそられます。ただ、物語が進むにつれて、設定の面白さと展開のギャップを感じてしまいました。お笑い芸人が主役という設定も、もう少しユニークに活用できたのではないかと思います。 派手さはないけれど、読みやすくはまとまっているといった印象。特に目新しさはありませんが、電車の中で気軽に読むには悪くない一冊です。映画との相乗効果で話題になるのはわかる気がしますが、小説として独立して評価するなら、可もなく不可もなく、といったところでしょうか。同じ作者の別の作品も試してみたい気持ちもあります。