最近のベストセラーリストで話題になっていたので手に取ってみました。文庫版の出版を機に読んだのですが、本当に良い作品ですね。 台湾と新疆ウイグル自治区という異なるバックグラウンドを持つ二人の女性が、日本という異国で繰り広げる恋愛と葛藤の物語。表面的なラブストーリーではなく、家族、政治、アイデンティティといった複雑な問題が静かに、しかし確実に二人の関係に影響を与えていくその描き方が秀逸です。 著者の李琴峰さんの文章は本当に美しい。日本語教師というキャラクターを通じて、言葉の持つ重さや可能性が丁寧に描かれています。公務員の私も、日々仕事をする中で異文化理解の大切さを感じていますが、この物語はそういった日常の中にある「ズレ」や「理解の難しさ」を丁寧に扱っていて、ぐっと引き込まれました。 少し時間をかけてゆっくり読みたい、そんな作品です。