本男の本棚
先生と罪

先生と罪

くわがきあゆ 宝島社 2026年1月8日

宝島社の話題作ということで手に取ってみました。学園サスペンスもの、どんでん返しが売りらしいですね。 読んでみた感想は、まあ悪くないけど特別に引き込まれたわけでもない、という感じです。教師の如月が次々と襲いかかる不穏な事件に対処していく流れは確かに気になります。犯人は誰か、という謎かけもそれなりに機能しているし、張り紙だの実家への嫌がらせだの、じわじわと緊張感を高めていく手法は上手だと思います。 ですが、最後の真犯人が明かされた時、正直なところ「ああ、そうか」という反応で、心が大きく揺さぶられるほどの驚きはありませんでした。もっと深い心理描写があるとか、人物関係がより複雑に絡み合うとか、そういった奥行きが欲しかった。サスペンスとしては機能しているけど、印象に残るほどの傑作かといえば、そこまでではないかな。 文庫本だし気軽に読むにはちょうどいい。でも改めて誰かに勧めるかといえば、微妙ですね。