行書入門
マール社 | 2008/02/20
みんなの感想
新社会人になって、教養を深めたいという思いから手に取りました。書法の歴史から技法、鑑賞法までを網羅した構成は、確かに入門書として理に適っています。 ただ、正直なところ、期待していた深さが物足りなかったというのが率直な感想です。人文・思想書をこれまで多く読んできたからかもしれませんが、各項目の解説がやや表面的に感じられました。歴史背景の掘り下げや、書法が日本文化に与えた影響についての考察があれば、より読み応えがあったように思います。 技法の説明は実用的で、実際に筆を取る人には参考になるでしょう。ただ、私のように「知識として書法を理解したい」という目的の読者には、少し物足りません。図版が豊富で視覚的には分かりやすいのは評価できるポイントです。 悪い本ではありませんが、新書という限られた紙幅の中での工夫が感じられなかったのが残念。もし書法への興味が具体的にあれば、この先により専門的な書籍へのステップアップが必要になるかもしれません。
行書という書体に対して、漠然とした敬意はありながらも、いざ学ぼうとすると何から始めたらよいのかわからない――そんなもやもやした感覚を持っていた私にとって、この本は本当に必要な一冊でした。 歴史的背景から技法、そして創作・鑑賞まで、体系的に整理されているのが素晴らしい。著者の説明は実に丁寧で、初心者がつまずきやすいポイントをしっかり抑えています。単なる「やり方」の説明に留まらず、「なぜそうなのか」という根拠まで示してくれるので、理解が深まります。 フリーランスとして仕事をしていると、時間の融通が利く分、教養を深める時間は意外と貴重です。この本があれば、自分のペースで行書の世界に入っていける。実際に筆を執ってみたくなる衝動に駆られました。 新書というコンパクトな形式で、これだけの内容を詰め込みながらも読みやすさを損なわない構成は見事です。書法について本格的に学びたい人にも、ただ知識を深めたいだけの読者にも、確実に応える一冊だと思います。