鬼の跫音

鬼の跫音

道尾秀介

出版社:角川書店 出版年月日:2009/01/01

角川書店 | 2009/01/01

3.00
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感想

鈴虫 大学時代友人のSを埋めた。 11年経って警察が当時のことを聞きにきた。 大学時代のSと僕、そして今は僕の妻になった杏子。 鈴虫だけが見ていた過去の事件の真実。 ケモノ よく出来た家族の中でひとり出来損ないの僕。 疎外感でいっぱいになった僕の心の中には闇があった。 部屋で転んで折れた椅子の足の断面に彫られていた文字。 その言葉を追って僕はある事件の加害者の家に行ってみる。 よいぎつね 逃げるようにしてこの町を出て行ってから20年がたった。 取材のため僕はこの町の祭りにやってきた。 20年前のあの日、仲間4人の間で度胸試しとして僕が 試されたのは女を一人陵辱することだった。 箱詰めの文字 僕のところに一人の青年がやってきた 「出来心で泥棒に入って貯金箱を盗みました」と言う青年。 しかし僕はその貯金箱に見覚えがなかった。 冬の鬼 遠くから鬼の跫音が聞こえる・・・ Sに教えてもらった神社へ行き、どんどやの火に達磨を 投げ込んできた。 日記で語られる私とSの関係。 私たちの心は壊れてなんかいない。 悪意の顔 Sが僕を攻撃しはじめたのはSのお母さんが死んだとき 「僕もお父さんがいないからわかるよ」と僕が声をかけた時からだ。 学校の帰り道であった女の人は僕を見ると 「誰かのことを怖がっているのね、助けてあげる」と 言って僕を家へ入れた。 女の人がキャンバスを僕の頭の上で振ると不思議と Sへの恐怖がなくなった。 どの短編も禍々しさに満ちているといった感じで 人の悪意が不気味に描かれている作品ばかりだった。 でも、小説としてみれば充分にひきつけられるものがあり 短編として読むのにはこういう雰囲気も嫌いではない。

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