短歌なんて古臭いものだと思っていたのですが、この本を読んで考えが180度変わりました。穂村弘さんの選者としての眼差しが本当に素敵で、各歌人の作品を読むたびに「あ、こんなに現代的で生々しいんだ」と驚かされます。 与謝野晶子から寺山修司まで、近現代の歌人50人の名歌5首ずつを集めたアンソロジーなのですが、単なる詩集ではなく、それぞれの歌に対する穂村さんの丁寧な鑑賞文が付いているんです。これがね、短歌を読むことの面白さを引き出してくれる。恋愛、人生、自然、死—どれも短歌の方が小説より濃密に伝わってくることもあるんだと気づきました。 文庫本というのも高ポイント。どこへでも持ち運べるので、朝のコーヒーを飲みながら、寝る前に数首読むという習慣がついてしまいました。難しい古語も適度に説明されていて、短歌初心者の私でもすんなり入り込めます。 今、話題の短歌本がいくつも出ていますが、この「決定版」の呼び名に偽りなし。短歌の奥深さと美しさを知るなら、これ一冊で十分です。