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暗いところで待ち合わせ

暗いところで待ち合わせ

乙一 幻冬舎 2002年4月11日

感想

駅での殺人事件から始まる、ちょっと変わった物語。追われる身となった男性と、他人との関わりを避けて生きてきた女性が同じ屋根の下で暮らすことになるという設定が面白そうだったので手に取ってみました。 二人の関係性の変化を追っていくのは悪くないんですけど、正直なところ、どこか淡々とした印象を拭えません。事件を巡るミステリー的な要素も、二人の心理描写も、どちらも「そこまで深く掘り下げないんだ」という感じで。物語として完結しているし、読みやすくはあるんですが、読み終わった後に心に残るものがあまりありませんでした。 公務員という比較的安定した生活をしている身からすると、こういうドラマチックな状況設定は非日常で興味深いんですけど、もう少し登場人物たちの内面に入り込めたら良かったなって思います。気軽に読むには十分ですが、何度も読み返したくなるほどの魅力は感じられませんでした。それなりに楽しめる一冊、といったところです。