感想
バフチーンという名前は学生時代に文学批評の授業で聞いたことがある程度で、正直なところあまり詳しくありませんでした。でもこの本を読んでみて、彼の思想の豊かさと面白さにすっかり魅了されてしまいました。 複雑そうに思える理論も、このエッセイ集ではとても丁寧に紐解かれていて、普段から小説を読む身としても自然に入り込むことができました。特に印象的だったのは、言葉や物語がどのように社会や人間関係のなかで生きているかについての視点。日常生活のなかで無意識に使っている言葉の奥行きが見えた気がします。 仕事で疲れた夜に気軽に読み進められるのに、読み終わったあとはじんわりと考え込んでしまう。そういう本って本当に貴重だと思うんです。難しい学術書ではなく、エッセイの形だからこそ、バフチーンの世界観が柔らかく心に届いたのかもしれません。同じような世界観の本が好きな方には、ぜひおすすめしたい一冊です。