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第三の時効

第三の時効

横山 秀夫 集英社 2006年3月1日

「このミス」で高く評価されたというのは本当だなと納得できる傑作です。時効という制限時間という縛りの中で、容疑者の逃げ切りと警察の追跡がぶつかり合う緊張感が最高。7日間というわずかな時間差がこんなにも物語を面白くするんだって驚きました。 連作集なので、短編ごとに異なるケースと登場人物が出てきて、飽きることなく読み進められるのも良かった。それぞれが独立した話でありながら、時効という大きなテーマでつながっているのが秀逸です。 公務員という仕事柄、法律や制度のギリギリのところで繰り広げられるドラマに、特に引き込まれました。理不尽さもあるけど、その中で人間たちがもがく様子が本当にリアルで。通勤電車で一気読みしてしまいました。 文庫本なので手軽に読めるのも、忙しい日常の中で気軽に手に取れてぴったり。ミステリーとしての面白さと、人間ドラマの両立がこれほど完璧に成立している作品って珍しいと思います。ぜひ多くの人に読んでほしい一冊です。