直木賞受賞作ということで、書評を参考にしながら購入を決めました。正解でした。 タイトルの「鉄道員」を含む全8編ですが、どれもが人生の喪失と向き合う人間の姿を静かに描いています。特に表題作は、駅務という日常の営みを通じて、深い悲しみをどう生きるのかという問いに向き合う、本当に素晴らしい作品です。 39歳で読むと、この作品たちの重さがより一層身に染みます。主人公たちの選択や葛藤が、決して遠い世界の話ではなく、自分たちの人生にも繋がっているのだと感じさせられます。派手な展開を求める人には地味かもしれません。ただ、人間にとって本当に大切なものは何か、そしてそれを失ったとき、私たちはどう歩んでいくのか——その問いに丁寧に向き合う著者の視点に、心を揺さぶられました。 短編集なので、一気読みするも良し、何日かかけて味わうのも良し。確実に手元に置いておきたい一冊です。