正直なところ、このタイトルと設定を見た時は躊躇いました。でも、レビューを読んで決めたんです。それが正解でした。 気送管を通じた手紙のやり取りという、とても純粋で切実な恋のかたち。直接会えない、触れられない二人だからこそ、言葉が持つ重みと温度が本当に伝わってくる。年を重ねた分、こういう「不器用だけれど真摯な愛」に心が揺さぶられるんだと改めて気づきました。 社会の周縁にいる二人が秘密の文通を通じて、どう向き合い、何を感じるのか。その過程が素晴らしく繊細に描かれています。セックスワークや年齢差といった難しいテーマを扱いながらも、決してセンセーショナルではなく、二人の関係の本質に丁寧に向き合っている。そこに好感を持ちました。 ウェブ小説出身というのも納得です。短い手紙という制約の中で、これだけの物語を紡ぐって才能がいる。会社員生活で疲れた心が、確かに救われた。おすすめできる一冊です。