感想
サン=テグジュペリの著作だということで、じっくり時間をかけて読み進めてみました。ただ残念ながら、期待していたほどの感動には至りませんでした。 エッセイと小説の中間といった性質の作品のようですが、その点が却って曖昧に感じられてしまい、物語として読むにも思索として読むにも、何か足りないような印象が拭えません。著者の人生経験に基づいた描写には確かに深みがありますが、文体の運びが現代の読者にとっては少し硬くて、読み続けるのに相応の忍耐を要しました。 古い時代の作品ですから、価値観や表現方法の違いは当然承知していましたが、この本に関しては、その時代的な距離感がむしろ内容を遠ざけてしまった感じがします。推薦いただいている方も多いようですので、好まれる方にはきっと素晴らしい読書体験となるのだろうと思いますが、正直なところ私の好みには合いませんでした。慎重に選ぶ性質ですので、今後別の著作に挑戦するかどうかはよく検討してから判断したいと考えております。