夜読み派の本棚
鉄道員(ぽっぽや)

鉄道員(ぽっぽや)

浅田 次郎 集英社 2000年3月1日

直木賞受賞作というので期待して読んでみたんですが、正直なところ「これは話題作だけど、私には刺さらなかったな」というのが率直な感想です。 表題作の「鉄道員」は、失った者たちへの向き合い方を静かに描いた作品で、確かに哀切さは伝わってくるんですよ。ただ、私個人としては、その静謐さが少し物足りなく感じられてしまいました。人生の重い喪失を扱っているのに、読み終わったときのモヤモヤした感じが、感動というより違和感に近い。 収録されている8編の中では「ラブ・レター」は良かったです。あの短さの中に凝縮された感情がちゃんと伝わってきた。でも他の作品は、作者の世界観を理解できずに読み進める感じになってしまいました。 流行りの本だから読んでみよう、という気持ちで手に取ったんですが、このジャンルの良さを完全に理解するのは難しいのかもしれません。文学的価値があるのは分かるけど、23歳の私には少し早いのかな、という気もします。機会があれば数年後にもう一度読んでみたいです。