さくらももこさんのエッセイということで、つい手に取ってしまいました。話題の本ですし、この年代の私たちが知らない、昭和の時代の若い女性たちの働き方や人間関係が、とても興味深く描かれていますね。 短大時代の食品売り場でのアルバイト経験が、こんなに面白い話になるんだと驚きました。存在意味不明という表現が秀逸で、何気ない日常の中に隠れた違和感や矛盾を、さくらももこさんは見事にすくい上げています。OL時代の恐怖の歓迎会の話も、読んでいて思わず笑ってしまいました。あの時代って本当にこんなだったんだなあと、懐かしくもあり、変だと思いながらも従っていた私たち自身を見つめ直す機会になります。 土屋賢二さんとの対談も含まれているというのが良いですね。異なる視点からのコメントが、さらに物語を深くしてくれます。若い頃の経験がどう人生に影響を与えるのか、そしてそれがどう創作活動につながっていくのか。そういう人生の流れが感じられて、エッセイとしてもとても充実しています。 同世代の女性にはぜひ読んでほしい一冊です。