しんの本棚
The Giving Tree

The Giving Tree

Shel Silverstein HARPERCOLLINS 1964年1月1日

「おおきな木」の原作を読んでみました。村上春樹訳での評判が高かったので期待して手に取ったんですが、正直なところ期待値とのギャップが大きかったです。 確かに、木と少年の関係を通じて「与える」ことについて考えさせられるテーマはいいんですよ。でも、読んでいてモヤモヤが残ってしまいました。少年が大人になっていく過程で、木に対して一方的に要求し続けるのに対して、木はただ与え続けるだけ。その関係性が本当に「愛」として描かれているのか、それとも「依存」じゃないのか、その境界線が曖昧に感じられてしまって。 哲学的な寓話として深く考えるなら面白いのかもしれませんが、大学の課題で何度も読み返している身としては、もう少しスッキリとした答え、あるいはより複雑な人間関係の葛藤があってもいいのかなと思いました。短編として良い作品ではあるんですが、「不朽の名作」と呼ぶほどの感動には、自分は至りませんでした。