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怪盗レッド(29) 怪盗と探偵と泥棒の合同プロジェクト☆の巻

怪盗レッド(29) 怪盗と探偵と泥棒の合同プロジェクト☆の巻

秋木 真 / しゅー KADOKAWA 2026年2月12日

怪盗レッドシリーズの29巻ということで、継続読者として手に取りました。相変わらずエンタメ性は高いのですが、正直なところ、シリーズが長くなるにつれて物語の構造が複雑化しすぎているように感じます。 本巻ではタキオンという敵組織の内部分裂や、主人公の学園生活との並行展開が描かれているのですが、それぞれのプロットが散漫になっているというか、どの要素にも深い掘り下げがない印象を受けました。エンジニアの視点で言えば、ストーリー全体の設計図が見えづらいんです。 主人公の「勘が当たる」という設定も、何度も繰り返されるうちにギミックとしての効果が薄れてきた感がありますし、学園行事と敵との対立というテーマの組み合わせ自体は悪くないのですが、その融合の仕方がもう一つ洗練されていないように思います。 シリーズファンには十分な満足感があるかもしれませんが、新たに加わった要素や転開への興奮度としては、以前のような躍動感を感じられませんでした。