本と珈琲の本棚
感想

定年前のこの年代だからこそ、改めて「幸福とは何か」を考えてみたくなって手に取りました。この新潮社の文庫版『幸福について』は、難しい理屈に陥らず、生きてきた実感に寄り添うような語り口がいいですね。 人生の後半戦に入った今、仕事のストレスや人間関係の悩みもありますが、この本を読むと肩の力が抜けるんです。著者の考え方が押し付けがましくなく、むしろ「そういう見方もあるんだ」と納得させられることばかり。退職後の人生をどう過ごすか考えている身としては、特に響くところが多くありました。 文庫本のコンパクトなサイズも気に入っています。通勤の合間にちょっと読んで、その日一日を少し前向きに過ごせるような感じ。深い思想の本でありながらも、気軽に読める文体というのが、このジャンルの本としては理想的だと思います。同じ世代の方にもぜひ勧めたい一冊です。