手話という言語体系に対して、これまでどれほど無知だったのかを思い知らされた。本書は単なる手話の入門書ではなく、ろう者の文化と言語としての手話の本質を丁寧に解き明かしている。 新書というコンパクトな形式ながら、手話が音声言語と全く異なる文法体系を持つこと、そしてそれが決して劣位ではなく等価の言語であるという点が明確に論述されている。著者の視点は学術的でありながらも親しみやすく、図版や説明も適切で理解しやすい。 フリーランスとして様々な人間関係を構築してきた身としては、言葉の多様性と、そこに存在する文化的価値を改めて認識することができた。この改訂版を読むことで、社会において見落とされてきた重要な視点を得ることができる。ろう者との共生について考える上で、本当に基礎的で不可欠な一冊だ。万人に推奨したい傑作である。