岡本太郎のこの著作は、フリーランスとしてキャリアを重ねた身にとって、今なお示唆に富んだ一冊だ。 「毒を持つ」という表現が秀逸で、単なる前向き思考の啓発書ではなく、むしろ人間の矛盾や弱さそのものに向き合うことの重要性を説いている。才能のなさ、失敗、劣等感――誰もが抱えるそうしたマイナス要素を、逆説的に自分の武器に変えよという主張は、自由度の高いフリーランス環境だからこそ、一層の説得力を持つ。 新装版は確かに読みやすくなっており、岡本太郎の作品画もカラーで収録されているのは視覚的な効果も大きい。独特の美学と生き様が、ビジュアルからも伝わってくる。 創造性の本質について改めて考えさせられるとともに、人生の後半戦を迎えた自分が、いかに強度を持って現在を生きるかという問いを突きつけられた。評価の高さも納得できる、時代を超えた価値のある作品である。