感想
ガンダムシリーズの外伝的位置づけということで手に取ってみました。宇宙世紀の物語として、政治的な陰謀と個人の葛藤が絡み合う構図は、この系列の作品らしい魅力を備えています。 ただ、下巻ということもあってか、物語の展開が幾分駆け足に感じられました。セシリーとシーブックという二人の主人公の運命が交錯していく過程は興味深いのですが、その心理描写が深掘りされないまま進んでいく印象を受けます。新型モビルスーツの設定についても、テクノロジー好きの読者であれば、もっと詳細な背景があれば嬉しかったところです。 構成としてはきちんと纏まっており、読みづらさはありません。ガンダムファンなら楽しめる内容でしょうし、外伝ものとしても一定水準は保っています。ただ、シリーズの他作品と比較すると、何か一つ突き抜けた要素に欠けるように思います。フリーランスの身で忙しく、限られた読書時間の中では、やや物足りなさが残る一冊となってしまいました。