そうたの本棚
贖罪

贖罪

湊かなえ 双葉社 2012年6月1日

重い題材ながら、一気読みさせられた傑作です。15年前の事件と、その後の四人の人生がどう絡んでいくのか、最後まで目が離せませんでした。 エンジニアという職業柄、論理的な推理ものは好きなんですが、これは単なる推理小説ではなく、人間関係の複雑さと心理的な葛藤の描き方が秀逸。被害者の母親が四人に与えた「償い」という重い命題が、時間とともにどう変化していくのかが興味深い。 各キャラクターの背景が丁寧に掘り下げられていて、誰もが被害者でもあり加害者でもあるという人間くささが印象的です。ラストの展開は予想外でした。読み終わった後、しばらく考えずにはいられない余韻があります。 気軽に読める本ばかり選んでいた自分には、こういう重厚なエンタメ小説も定期的に必要だなと感じさせてくれた一冊。気分や時間的余裕がある時に、ゆっくり読む価値は絶対あります。大人の読書として、心からお勧めできます。