鎌倉の古書堂を舞台にした、なんとも魅力的な作品ですね。主人公の栞子さんという人見知りだけど本には並々ならぬ情熱を持つ女性のキャラクターが、本当に素敵です。接客業とは思えない対人スキルの低さと、古書に関する知識の深さのギャップがおもしろくて、読んでいて思わず引き込まれてしまいました。 古書が持ち込まれて、その謎が解き明かされていく過程は、ミステリー好きな私の心をくすぐります。本そのものへの深い造詣が感じられ、古い本たちが秘めている歴史や物語について考えさせられます。我が家の本棚を眺める目も変わりそうです。 各エピソードが短編のようにまとまっているので、育児の合間に少しずつ読み進められるのも主婦にとっては嬉しいポイント。決して難しくなく、それでいて奥深い世界観に浸れます。古本や本好きな方はもちろん、そうでない方にも、本の新しい魅力に気づかせてくれる一冊だと思いますよ。