川沿いのカフェから始まる優しい物語でした。正直、最初はこういった温かみのある話って少し照れ臭いなって思ってたんですけど、読み進めるうちにすっかり引き込まれてしまいました。 東京とシドニーという距離がありながらも、ココアや卵焼きといった日常の小さな出来事が、静かに、でも確実につながっていく様子が本当に素敵です。登場人物たちの選択肢や言動ひとつひとつが、どこかで誰かを救う可能性を持っているんだなって改めて感じさせられます。 大学院の研究で疲れてるときに読んだからか、こういう「人と人のつながり」をテーマにした作品がすごく響きました。決して派手な展開があるわけじゃないけど、そこがいい。日常と非日常が自然に混ざり合う感覚は、エッセイを読むときのようなほっこりした気分と、小説としてのページをめくる楽しさが両立してます。 疲れた心を優しく包んでくれるような一冊。気負わずに読めるのに、ちゃんと心に残る。そういう本に出会うのって貴重だなと思います。