戦国武将を題材にした掌編集という、なかなか珍しい企画だったので期待を込めて手に取りました。47都道府県×1武将という壮大な構想は魅力的です。 ただ、正直なところ読み終えての評価は「悪くはないが、特別に心を掴まれることもなかった」というのが本音です。各篇が短いため、一つ一つの掌編では物語の深掘りが限定的。歴史好きなら「そういった解釈もあるのか」と興味深く読めるでしょうが、私のような一般的な読者にとっては、各武将とのつながりが薄く感じられました。 特に東日本編という地理的な制限があるためか、著名な武将との距離感を感じ、没入感に欠けるところがありました。短編という形式が裏目に出ているように思います。 ただし、史料の一文から創作を膨らませるアプローチは評価できます。そこに工夫の跡は見えます。選書に慎重な私としては、同じ時間を使うなら通常の戦国小説や伝記の方が充足感が得られるかなという印象です。企画の新規性は認めつつも、完成度という点ではまだ改善の余地があると感じました。