健太の本棚
感想

佐藤愛子の娘・杉山響子さんが書いたこのエッセイ、本当に面白かった。有名な文士の母親を持つということの大変さ、そしてその中での深い愛情。そういう複雑な感情をこんなに軽やかに、ユーモアたっぷりに綴れる人がいるんだなって感動してしまった。 「憤怒の人」と呼ばれた91歳の母の話から、現在102歳となって記憶が薄れていく様子まで。笑える話もあれば、思わず目頭が熱くなる話もある。フリーランスとして仕事をしていると、親との関係や人生について考えることが増えたので、特に響いたんだと思う。 阿川佐和子さんが推薦文で「文士とは総じてワガママ」と書いてるけど、その通りだと感じながら読んでいた。でもそういう親の側で生きてきた娘の視点だからこそ、単なる批判じゃなくて、深い理解と愛に満ちた作品になってるんだろう。気軽に読める随筆集としても、親子関係を考えるきっかけとしても、両方楽しめる一冊だと思う。