長年ボランティア活動をしていると、人間関係や問題解決の場面で「あるはずの共通理解」がすれ違うことに気づきます。この本はそうした課題を見事に解きほぐしてくれました。 具体と抽象を行き来する思考法という概念自体は決して新しくないかもしれません。しかし、著者が提示する豊富な問題例を通じて、この思考回路がいかに日常生活に応用できるかが腑に落ちる。「目覚まし時計」と「旅行代理店」の共通点を考えるといった一見ばかばかしい問題が、実は深い洞察へ導くのです。 何より素晴らしいのは、新書というコンパクトな形式のなかで実践的なトレーニングが組み込まれている点です。読むだけでなく考える、手を動かすという体験ができます。世代を問わず、より柔軟で創造的な思考を身につけたいすべての人に勧められる一冊。ボランティア仲間にもさっそく紹介しました。