panの本棚
感想

家族ってやっぱりおもしろいな、と改めて思わされた一冊です。 佐和子の周りの人たちって、誰もが独自の理由で家族から距離を置こうとしているんですよね。でも不思議と、その距離感が逆にみんなをつなぎとめているような感覚があって。特に「父を辞める」という父の言葉には、最初は衝撃を受けたけど、読み進めるうちに本当の想いが見えてくる感じが素敵でした。 自営業という立場で仕事をしていると、家族とのバランスって常に課題なので、この物語がすごく他人事に思えなかったんです。誰もが完璧な家族関係を求めているわけじゃなくて、時には一呼吸置く必要があるんだなって。 切なさとぬくもりが同居した文章で、読んでいて心がほわっとなります。ちょうどいい長さの文庫本だし、疲れた日の夜に読むのにぴったり。家族について考えるきっかけをくれる、そういう本が好きです。