感想
警察小説とミステリーの良さが詰まった一冊でした。藍本小百合という主人公のキャラクターが本当に魅力的で、新社会人の僕としても仕事への向き合い方について考えさせられます。 何より秀逸なのは、怪盗フェイクという敵の存在設定です。SNSで日時指定の犯行予告をするという大胆さと、変幻自在に姿を変えるという予測不可能性が、物語に絶妙な緊張感を生み出しています。署長室の一億円を守り切れるのか、それとも盗まれてしまうのか、ページをめくる手が止まりませんでした。 新書というコンパクトなフォーマットなのに、ストーリーの密度が濃いのも印象的です。短編のようでいながら、登場人物たちの関係性や警察内部の力学も丁寧に描かれていて、単なるエンタメ小説ではない深さを感じました。仕事帰りの移動時間で読み進められたのも良かった。 大森署シリーズをこれから追いかけたくなる、そんな一冊です。