ウェールズの古い伝承をまとめた本ということで、最初は難しいのかと心配しましたが、思いのほか読みやすく楽しめました。修道士たちが昔から語り継がれてきた物語を記録したものなんですね。 アーサー王やペレドゥルという人物が活躍する冒険譚が次々と出てくるのですが、どれも不思議で面白い。神話の時代の話とは思えないほど生き生きとしていて、登場人物たちの行動や会話がとても自然に感じられます。宮廷文学という部分もあるようで、恋愛の話もあり、そういった人間らしいドラマも織り交ぜられている。 訳注や解説がしっかりしているのも、この年代の私たちには本当にありがたい。知らない歴史背景やケルト文化について理解を深めながら読み進められました。一つ一つの物語はそこまで長くないので、毎日のパート帰りに少しずつ読むのにちょうど良い分量です。古い物語ですが、どこか現代にも通じる人間らしさが隠れていて、何度も心が引き込まれました。気軽に楽しめる素敵な一冊です。