本大好きおじさんの本棚
元年春之祭

元年春之祭

陸 秋槎 / 稲村 文吾 早川書房 2018年9月5日

仕事の疲れを癒してくれる一冊に出会いました。前漢時代という舞台設定は、最初は少し敷居が高いかなと思ったのですが、読み始めると引き込まれてしまいました。 山奥の名家で次々と起きる事件。登場人物たちの会話から真犯人を推理していくプロセスが本当に面白いです。医療の現場で日々複雑な症状と向き合っている身として、こういう「謎を解く」という知的興奮は格別ですね。 何より驚いたのは、読者に対して直接「犯人は誰だと思いますか?」と挑戦してくる構成。こういった遊び心のある書き方は新鮮でした。著者の才能が感じられます。 時代物でありながらも、人間ドラマとしても深く、気軽に手に取りやすい新書というフォーマットも良かった。長編を読む気力がない忙しい日々の中で、程よいボリュームで楽しめました。気になった方には本当にお勧めできる一冊です。