Windows95の設計者による仕事術の本ということで、期待を込めて手に取りました。ドラッグ&ドロップなど革新的な概念を生み出した人物の思考方法なら、きっと実践的で示唆に富んだ内容だろうと。 ただ、読み進めてみると、正直なところ物足りなさを感じました。確かに「納期遅れがない」というのは凄いことですし、その方法論自体は理にかなっています。しかし、エンジニアの視点からすると、提唱されている時間管理術は既知のものばかり。優先順位の付け方や段階的な進め方など、他のビジネス書でも繰り返し語られている内容です。 また、Windows95という時代背景と現代のソフトウェア開発環境は大きく異なります。当時の手法が今もそのまま通用するのか、という検証も不十分に感じました。個人的には、もっと具体的なケーススタディや失敗例を交えた実践的な解説を期待していました。 著者の実績は疑いようもないのですが、その経験をいかに現代のエンジニアに活かすかというところで、本書は一歩及んでいないように思います。