ピアノ指導に関する理論的な基礎が詳しく書かれている点は評価できます。26年の研究という背景も説得力があり、ソルフェージュの重要性についての主張は一貫しています。 ただ、実際に主婦として子どもの習い事に付き添うようになって思うのですが、この本は理論に偏重しているのではないでしょうか。「新しいピアノ指導の手引き」とありますが、実践的な具体例がもう少し欲しかったところです。指導者向けの専門書というより、親が読んで子どもの練習をサポートするための工夫といった、現場寄りの内容があると、より活用できたはずです。 また、ソルフェージュと一口に言っても、年齢や進度によってアプローチは変わると思うのですが、その点の配慮が不足しているように感じました。理屈は分かるけれど、では我が家はどうすればいいのか、という読者側の疑問に応える工夫があれば良かった。 基礎理論の解説は丁寧ですが、より実用的で読者に寄り添った内容であれば、もっと高く評価できたと思います。