雄一の本棚
転生王子はダラけたい(21)

転生王子はダラけたい(21)

朝比奈 和 アルファポリス 2026年3月11日

21巻まで続いているシリーズということで、ちょっと躊躇しながら手に取ったんですが、これが思いのほか面白かった。異世界転生ものといえば、派手な戦闘やスケールの大きな陰謀が定番だけど、この作品は違うんですね。主人公フィルが「ダラけたい」という願いに忠実に、のんびりとした日常を過ごす様子が実に気持ちいい。 夏休みの風物詩、ランタン祭りを中心に、友人たちとの交流や召喚獣たちとのほのぼのとしたやり取りが描かれています。自営業の身として、普段は結構忙しく動いているので、こういう「何もしない時間の価値」を描いた作品はすごく心に響くんですよ。 個人的には、主人公が周囲のアドバイスに困っているシーンが特に好き。実生活でも人に頼られることが多いんで、その気持ちがよく分かる(笑)。長く続いているシリーズだからこそ積み重ねられた人間関係が、自然で温かみのあるものになっていて、その点も高く評価したいですね。気軽に読める、でも味わい深い。そういう作品に出会えるのは幸せです。