感想
この年になると、夢というものから遠ざかってしまうものだ。若い頃は野心に満ちていたけれど、人生経験を重ねるにつれ、現実的になるというか、諦めに近い感覚も芽生える。だからこそ最近、話題になっているこうした手帳術の本が気になって手にしてみた。 手帳に夢を書き、毎日それを眺めることで実現へ導くという考え方は、確かに悪くない。シンプルで分かりやすく、実行のハードルも低い。著者の主張に異を唱えるところはない。ただ、内容が予想の範囲を出ていないという印象は拭えない。既に知られている自己啓発の手法を、手帳という媒体を通して説いているだけという感じだ。 もう少し深い洞察があれば、80を過ぎた身でも心が動かされたのではないかと思う。とはいえ、退職後の人生に新しい目標を持ちたいという人には、入門書として良いかもしれない。人によっては十分な指標になるだろう。悪い本ではないが、特に秀でているわけでもない、という評価に落ち着いた。