智子の本棚
生きる言葉

生きる言葉

俵 万智 新潮社 2025年4月17日

現代の言葉遣いについて考察した一冊。SNSやネット文化が浸透する中で、私たちが如何に言葉を使っているか、そしてそれが自分たちの人生にどう影響するかというテーマは、同じ36歳の自営業者として非常に興味深かった。 歌人ならではの視点で、恋愛や子育て、AIとのやり取りなど身近なシーン別に言葉の使い方を考察する構成は読みやすく、実体験に基づいた具体例が豊富なのが良い。特に世代としてSNS文化に翻弄されている自分たちにとって、「言葉の力」を改めて問い直す機会をくれる。 ただ、正直なところ目新しさには欠ける印象。言葉の大切さというテーマ自体は普遍的だし、ネット時代における言語問題についても、すでに様々な場所で議論されていることばかり。新潮新書というフォーマットの制約もあってか、深掘りが物足りなく感じてしまった。 自分の言葉遣いを丁寧に見つめ直したい人には良い入門書だと思う。ただ、より深い考察を求める読者には少し浅く感じられるかもしれません。