新社会人になって気づいたのは、毎日がわりと消耗戦だということです。仕事が終わった後の「やるせない昼下がり」という言葉が妙に心に引っかかって、この本を手に取りました。 短編集ということで、疲れた時に読みやすいのが良かった。各作品で「おやつの時間」という日常の小さな幸福を軸に、複雑な人間関係や心の奥底の想いが丁寧に描かれています。派手な展開ではなく、むしろ静かで内省的。その淡々とした雰囲気が、気づかないうちに心に沁みてくる感じです。 特に感じたのは、登場人物たちが誰もが何かしらの「やるせなさ」を抱えているのに、おいしいものを食べる時間を通じてほんの少し救われているという構造。それって実は自分にもあるんじゃないか、と思わされました。 ただ、短編なので登場人物との距離感が若干ある点が少し物足りなくも感じました。でも、だからこそ読み終わった後に余韻が残るのかもしれません。新社会人の皆さんにはぜひ読んでほしい一冊です。