てつの本棚
拝啓 羽生結弦さま

拝啓 羽生結弦さま

宇都宮直子 山と溪谷社 2026年2月17日

フィギュアスケートに詳しくない私でも、この本を読むと羽生結弦という人物がいかに特別な存在かが伝わってきます。著者の宇都宮直子さんは、単なるファンではなく、スケートの美しさと人間的な深さを同時に見つめる目利きなんだと感じました。 特に印象的だったのは、羽生さんへの2万字超のロングインタビュー。被災経験、プロアスリートとしての矜持、人生観といった根っこの部分が赤裸々に語られており、こういう深い対話って教育現場でも大切だなと思わされます。スポーツを通じて人間がどう成長していくのか、その営みの尊さが理解できる内容です。 各章のエッセイも読みやすく、ちょっとした合間時間に少しずつ進められるのが良い。羽生選手のスケートを見たことがある人なら必読でしょうし、私のようなカジュアルな読者にとっても「人間らしく生きることの意味」を考えるきっかけになりました。気軽に手に取れるのに、心に残る一冊です。