はるかの本棚
ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜

ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜

三上 延 KADOKAWA 2011年3月25日

話題の古書ミステリ、期待以上の面白さでした。 鎌倉の古書堂を舞台にした本作は、単なる謎解きの楽しさに留まりません。人見知りで無愛想ながら、古書への情熱は人一倍という栞子さんのキャラクターが本当に魅力的です。管理職として多くの人間関係に向き合う日々を過ごしている私にとって、人付き合いの難しさと向き合いながらも本質的なものへの向き合い方を貫く彼女の姿は、何か心に響くものがありました。 各エピソードで提示される古書にまつわる謎も秀逸です。歴史や文化的背景がしっかり織り込まれており、単なる娯楽小説ではなく教養的な読み応えもある。古書を通じて、人間関係の機微や人生のストーリーが浮かび上がってくる構成は見事です。 このところ話題の作品をいくつか読んでいますが、本作の完成度の高さは群を抜いています。シリーズ化もされているようですので、続きも読みたくなりました。忙しい日常の中でも、一気読みできる心地よさと思考を刺激する深さを兼ね備えた、大人が楽しむには最適な一冊です。