感想
懐かしい!鷲津政彦がついに帰ってきたんですね。「ハゲタカ」シリーズは前作から随分時間が経っていたので、この新作の発表を知ったときは本当に嬉しかったです。 今、世界中が注視している台湾の半導体産業を舞台に、米国と中国の思惑が激突する中での鷲津のプレイぶりはさすがの一言。現在進行形の国際問題を小説に落とし込みながらも、決してドキュメンタリーぽくならず、むしろエンタメ性に富んだ物語として成立させているのは見事です。 複雑な国際関係や半導体技術といった難しいテーマを、金融の視点から解きほぐしていく展開は相変わらず面白い。章の表題から漂う東洋的な雰囲気も素敵です。仕事で国際情勢に目を配っている身としては、虚実の線引きを意識しながら読み進めるのが楽しい。 8年ぶりの登場だからでしょうか、鷲津というキャラクターが一層深みを増しているように感じました。今が旬の話題を扱った本として、同年代の読者にも本当にお勧めです。