11年ぶりのシリーズ最新刊とのことで、さっそく手に取ってみました。相変わらず小鳩君と小佐内さんのコンビは絶妙で、二人の軽妙な掛け合いを読むだけで思わず微笑んでしまいます。 スイーツにまつわる謎という設定が何ともユニークで、マカロンにあげパン、シュークリームと、日常の中に潜む小さな謎を丁寧に紡ぎ上げていく筆致が心地よい。長く愛される理由がよく分かります。四編とも質の高い仕上がりで、どれも一気読みできる面白さです。 ただ、11年のブランクを経ての復帰作ということもあってか、若干昔の作風との違いを感じなくもありません。それでも、この二人のキャラクターの魅力は褪せておらず、むしろ円熟味が増している印象を受けました。 仕事で疲れた夜、ほっと一息つきたいときに読むのにぴったりな一冊。トレンドを追う身として、こうした安定感のある傑作シリーズの復活は大変喜ばしいことです。