ドローンの急速な普及に伴い、法的リスクへの理解がいよいよ不可欠になってきた。本書はその必要性に応える、実務的で信頼性の高い一冊だ。 弁護士かつドローン操縦士という著者の背景が活きており、法律知識と現場感覚のバランスが秀逸。トラブル事例を通じて学ぶアプローチは、エンジニアとしての私にとって非常に納得しやすかった。特に肖像権やプライバシー問題、SNS時代特有のリスクについての解説は、規制側の論理だけでなく実装者の視点も丁寧に描かれている。 気になった点は、初心者向けの導入部分がやや簡潔で、法律用語への予備知識がないと読み進めづらい箇所があること。ただしこれは対象が実務者であることを考えれば、むしろ適切な設定かもしれない。 ドローン関連プロジェクトに携わる技術者、あるいはこれから関わろうとする人にとって、確実に参考になる良質なリファレンスである。技術と法規制の交差点にいる立場だからこそ、その重要性を強く感じさせてくれた。