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嫌われる勇気

嫌われる勇気

岸見 一郎 / 古賀 史健 ダイヤモンド社 2013年12月13日

アドラー心理学という興味深いテーマを扱った作品ですが、個人的には期待と現実のギャップを感じてしまいました。 対話篇形式という構成自体は分かりやすく、哲学的な内容を親近感を持って読める工夫だと思います。しかし、実際に読んでみると、青年の質問や反論がやや人工的に感じられて、自然な議論というより教えを一方的に受け取る形になっているように思えます。 また、「人間の悩みはすべて対人関係の悩み」という主張は確かに刺激的ですが、その根拠の提示が不十分だと感じました。心理学の専門書というより啓発書に近い印象で、より深い学問的な議論を期待していた僕には物足りません。 アドラー心理学の入門書としての価値は認めますが、すでに心理学や哲学に親しんでいる読者にとっては、やや表面的な内容に映るかもしれません。世界的な巨匠の思想をもっと本質的に掘り下げた解説があれば、より説得力のある作品になったはずです。