読むこと考えること

読むこと考えること

養老孟司

出版社:双葉社 出版年月日:2026/01/14

双葉社 | 2026/01/14

4.00
本棚登録:2人

みんなの感想

養老孟司さんの読書エッセイ集を読み終わった。「小説推理」に連載されていた「ミステリー中毒」から精選した27篇をまとめたものだが、これは実に興味深い。 長年生きてきて思うことだが、本を読むことと考えることの関係性をここまで丁寧に解き明かした本は珍しい。ミステリー小説という題材を通じて、養老さんが社会の矛盾や人間の本質をどう見つめているか。その視点の鮮やかさに引き込まれた。 テーマ別に分かれているので、気になる部分から読み始めることができるのも良い。退職してからというもの、時間があるからこそじっくり考えながら読むことの大切さが分かる。解剖学者ならではの論理的で、かつ柔軟な思考の運び方は、80を過ぎた今だからこそ心に響く。 各エッセイは短編なので、朝の時間や気が向いたときに開いて読むのに最適だ。こういう話題の良書を読むと、まだまだ世界は新しく見えるものだと改めて感じる。同年代の方にもぜひお勧めしたい一冊である。