友だち幻想

友だち幻想

菅野 仁

出版社:筑摩書房 出版年月日:2008/03/07

筑摩書房 | 2008/03/07

5.00
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みんなの感想

子どもの頃から「みんな仲良く」という社会的圧力に違和感を抱いていた身としては、この本の視点は実に鮮烈だった。著者は単に友情を否定するのではなく、むしろ人間関係における「距離感」という極めて実用的な問題に焦点を当てている。 フリーランスという立場で様々な人間関係を築いてきた経験からすると、多くのトラブルは実は相手との適切な距離が取れていない時に生じる。この本が指摘する「友だち幻想」——つまり、深い関係であるべき、常に理解し合えるべき、という幻想——は、私たちを無意識のうちに苦しめている。 全国の先生方に支持されているという点も納得がいく。本質的な人間関係論であり、同時に極めて現実的な処方箋を提供しているからだ。難解な理論ではなく、日常生活で即座に応用できるような作法の重要性が丁寧に説かれている。 中高生向けとされているが、むしろ大人こそ読むべき一冊。年を重ねるほど、人付き合いの複雑性は増す。その中で自分や他者を傷つけずにしなやかに生きるための知恵が詰まっている。