かもめ食堂

かもめ食堂

群 ようこ

出版社:幻冬舎 出版年月日:2008/08/04

幻冬舎 | 2008/08/04

4.00
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

フィンランドの街角にある小さな日本食堂を舞台にした作品。ヘルシンキの異国で、ひっそりと営まれるその店に集まる人たちの日常を描いています。 読みやすくて、ほのぼのとした雰囲気が心地よいですね。登場人物たちがそれぞれ何か背負っているのだろうとは感じるのですが、その詳細が深掘りされないまま、どちらかというと表面的な交流が続く印象です。教員生活で疲れた時には、こういう穏やかな物語は悪くないなと思いました。 ただ、個人的には何か物足りなさが残ります。もう少し人物描写に奥行きがあったり、ストーリーに起伏があったりすれば、もっと引き込まれたのではないかな。あるいは異国という舞台をもっと活かした描写があってもよかった気がします。 新聞の短編連載をまとめたものだからでしょうか、各エピソードが独立していて、全体としての繋がりが弱いように感じます。気軽に読める良さはあるので、疲れている時の気分転換には向いています。ただ、繰り返し読みたくなる魅力には欠けるかな、というのが率直な感想です。

感想

フィンランドの片隅に佇む小さな食堂を舞台にした、本当に素敵な物語です。 正直なところ、最初はタイトルの可愛らしさだけで手に取ったのですが、読み始めたら一気に引き込まれました。ヘルシンキという異国の地で、ひとりの日本人女性が営む「かもめ食堂」に集まる人たちの日常——それがこんなに温かくて、こんなに心地よいなんて。 自営業をしている身として、サチエの店に対する向き合い方がすごく響きました。派手さはないけれど、自分たちのペースで丁寧に生きていく姿勢。やってくる客たちとの関係性も、無理のない距離感で素敵です。 何より良いのは、登場人物たちが本当に「普通だけどおかしい」というバランス感。奇想天外なストーリー展開ではなく、ちょっと変わった人たちの日常が積み重なっていく心地よさ。読んでいて自分も「かもめ食堂」の片隅で、あたたかいコーヒーでも飲みたくなります。 疲れた時に読み返したい、そんな一冊。気軽に読める文庫本サイズなのもお気に入りです。

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