1リットルの涙

1リットルの涙

木藤 亜也

出版社:幻冬舎 出版年月日:2005/02/01

幻冬舎 | 2005/02/01

3.00
本棚登録:1人

みんなの感想

病と向き合う少女の日記という題材として、本書は確かに重要な作品だと認識する。15歳で難病に襲われながらも、日記を書き続けることで生きる支えを見出した、その姿勢は尊敬に値する。 ただ、読み手としては複雑な感情を抱かざるを得ない。実際の出来事をベースにしているからこそ、その感動性や教訓性は強調されやすいが、テキストとしての深さや、人間の本質に迫る哲学的な問い掛けという点では、やや物足りなさを感じた。いわば、「良い話」として消費されやすい構造になっているように思う。 自営業で人生経験も積んできた身からすると、苦難への向き合い方について、もっと複雑で矛盾に満ちた内面世界の描写があれば、より心を揺さぶられたのではないか。本書は確かに読む価値のある作品だが、人文思想書を多く読む者にとっては、既出の感動の枠を大きく超えるものではない、というのが率直な評価である。