光と糸

光と糸

ハン・ガン, 斎藤 真理子

出版社:河出書房新社 出版年月日:2025/12/19

河出書房新社 | 2025/12/19

4.00
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みんなの感想

ハン・ガンのノーベル文学賞受賞後初の作品ということで、期待を持って手に取りました。この本の構成が素敵だなと思ったのは、講演全文、エッセイ、詩、庭の日記、写真が著者自身の手で編まれているところ。それぞれのパートが独立していながらも、「光」というテーマで繋がっていく感じが本当に美しい。 特に庭の日記は、日々の観察の中に深い思考が隠れていて、忙しい日常の中でついハッと立ち止まってしまいました。我が家の庭のことも思い出してしまったほど。講演では世界の暴力と美しさについて語られていますが、重いテーマなのに読んでいて絶望的にはならない。むしろ生命の力強さを感じる。 気軽に読める作品ではないけれど、時間をかけてゆっくり味わいたい一冊です。写真も素敵で、何度も読み返したくなる。ノーベル文学賞受賞作家の思考の奥行きをこんな形で感じられるなんて、贅沢だなと感じます。