風と共にゆとりぬ

風と共にゆとりぬ

朝井 リョウ

出版社:文藝春秋 出版年月日:2020/05/08

文藝春秋 | 2020/05/08

3.50
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

直木賞作家による人気エッセイ集が文庫化されたということで、手に取ってみました。正直なところ、タイトル通り「読んで得るもの特にナシ」という謳い文句に惹かれた部分もあります。 実際に読むと、その言葉は謙遜ではなく本当のことだと実感します。レンタル彼氏との対決、会社員としてのポンコツぶり、ハワイへの冒険、そして衝撃的な痔瘻手術の経験録まで、バラエティに富んだエッセイが500枚超詰め込まれています。 何が素晴らしいかというと、どの話も作者の自虐的なユーモアに満ちていて、読んでいて思わず笑ってしまうんです。知識や教養を深めるわけではない。ただ純粋に面白い。ときには下ネタも混じるような庶民的なユーモアですが、それが誠実で、どこか温かみを感じさせます。 人文・思想書ばかり読んできた僕だからこそ、こうした気楽なエッセイの価値を改めて認識できた気がします。疲れたときに、笑いたいときに開く一冊。評価が高い理由がよく分かります。

感想

各方面で高い評価を受けているという触れ込みで手に取ったのですが、正直なところ、期待値とのギャップを感じてしまいました。 エッセイ集という形式なので、短編ごとに異なるテーマを扱っているのは構成として分かりやすいです。ホームステイやハワイ旅行など、日常の出来事をユーモアを交えて綴った部分は確かに読みやすく、会社員生活で疲れた時の気分転換にはなります。 ただ、「楽しいことだけ詰まった」というキャッチコピーの通り、深掘りや考察といった要素がほとんどないんです。軽く笑って終わり、という読み心地。39年生きていると、こうした浅い面白さだけでは満足しにくくなっているのかもしれません。 特に興味深かったのは健康トラブルについて書かれた章ぐらいで、そうした人生経験に基づいた部分にこそ、読む価値があるように感じました。逆に、ただ事件を面白おかしく描写しているだけの章は、スルーしてしまいました。 夜な夜な本の選び方について悩む慎重派の私にとっては、これはなかなか難しい一冊です。気軽に読みたい時には悪くありませんが、わざわざ手に取る必要があるかと問われると、首をかしげてしまいます。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ