PRIZE-プライズー

PRIZE-プライズー

村山 由佳

出版社:文藝春秋 出版年月日:2025/01/08

文藝春秋 | 2025/01/08

4.67
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

本屋大賞ノミネートの話題作ということで、さっそく手に取ってみました。正直なところ、ここまで惹き込まれるとは思いませんでした。 作家・天羽カインという女性が、直木賞への執念に燃える。ベストセラー作家なのに、文壇から正当に評価されない苦しみ。その怒りと葛藤が、ページをめくる手を止められなくしてくれます。創作活動に対する異常な情熱、人間関係の軋轢、自分の価値を認めさせたいという根源的な欲求——すべてが絡み合いながら物語が進んでいくんです。 特に興味深いのは、著者が「賞」というものの本質に鋭く切り込んでいる点。栄誉とは何か、評価とは何か、そして創作者の心理とは何か。読んでいるうちに、自分自身も問い直されているような感覚になります。 会社員生活が長いので、企業での評価や昇進の問題と重ねて読んでしまう部分もありました。誰もが何らかの「賞」を求めて生きている。その普遍的な切実感が、この作品の深さなのだと思います。 すぐに周囲に勧めたくなる一冊です。

感想

直木賞という頂点に執着する作家の姿を描いた本作、いまの文学界を舞台にした問題作として大きな話題になっているのも納得です。 天羽カインという主人公の「認められたい」という執念の描き方が圧倒的。ベストセラー作家でありながら、純文学的な評価を求めて苦悶する姿には、創作活動の根底にある承認欲求の本質が映し出されているように感じました。会社員として働く身としても、どれだけ成果を出しても満足できない心理状態、とても共感できる部分が多くあります。 著者は文壇の内部事情を知ぬく描写で、本屋大賞とアカデミズムの葛藤をリアルに表現しています。そして物語が進むにつれ、カインの行動がエスカレートしていく緊張感は、最後まで一気読みさせる力がありました。 ただ、終盤の展開には多少の異議を感じる部分もあり、すべてに納得できたわけではありません。でも、今のわたしたちが直面している「成功とは何か」「評価とは何か」という根本的な問いを投げかける傑作だと思います。話題作だからこそ読む価値のある一冊です。

感想

仕事で疲れた夜、こういう一気読み必至の作品に出会うって幸運ですよね。『PRIZE』がそれでした。 直木賞が欲しい、ただそれだけの執念で突き動かされる作家・天羽カインという主人公に、最初は「そんな執着、大変だな」くらいの距離感を持ってページをめくっていました。ところが読み進むうちに、その怒りや悔しさ、葛藤があまりに生々しくて、気づけば彼女の視点に完全に引き込まれていました。 評価と結果のズレ、努力が報われない辛さ、そういう感情って会社員生活の中でも何度も経験するじゃないですか。だからこそ、この話が他人事じゃなく感じられるんだと思います。破壊的なまでの情熱、ちょっと狂気さえ感じさせるキャラクターなのに、どこか共感してしまう。その揺らぎみたいなものがこの作品の面白さなんじゃないでしょうか。 本屋大賞ノミネートも納得。気軽に読める小説を探してる人にもおすすめできます。

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