日本辺境論
出版社:新潮社
出版年月日:2009/11/16
新潮社 | 2009/11/16
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みんなの感想
内田樹の『日本辺境論』は、私のような仕事をしていると特に興味深く読める一冊です。日本人が本質的に「辺境人」であるという視点は、フリーランスという立場で世界と関わる私にとって、なぜか腑に落ちるものがありました。 著者は膨大な思想的資産を援用しながら、丸山眞男から養老孟司、マンガまで縦横無尽に論じていきます。この広がりが素晴らしい。単なる日本論に留まらず、文化的アイデンティティについて深く考えさせられます。特に、日露戦争から太平洋戦争までの時期を「辺境人が特性を忘れた特異な時期」と位置付ける議論は説得力があります。 若干、論の展開が急なところがあり、ついていくのに集中力が必要です。また、専門的な参照が多いため、背景知識があるほど味わい深いでしょう。でも、だからこそ何度も読み返したくなる。読むたびに新しい発見があるテキストです。自分たちが何者なのかを問い直したい読者には、本当にお勧めできます。